このまんががすごい2018 6位
能條純一(著書) 半藤一利(原作) 永福一成(脚本) 志波秀宇(監修)
https://bigcomicbros.net/comic/shouwatennoh
祖父は明治天皇、父は大正天皇。
神として国を背負い、世界で最も大きな戦争を経験し、人としてその生涯を終えた昭和天皇・裕仁。
生まれた時から名字はなく、友人も同僚もなく、その立場から降りることもできず、国家そのものであり続けた巨人。
使命を帯びた人々や、思惑を持った者たちに囲まれ、彼の人は何に喜び、涙し、怒り震えたのか。
圧倒的な人間ドラマを大胆な解釈で描く超話題作!!
新年号「令和」が発表された本日、「昭和」を懐かしむべく昭和天皇物語をレビューしたいと思います。
ちなみに、こちらのサイトは漫画のまとめサイトのようなものではなく何か読みたい本を探している方にお役にたてば…と思いやっております。
思っている以上にネタバレしてんぞ!と思ったらお気軽にメールでご指摘ください。
改善はするかどうかは分かりません。笑
著者・原作・脚本・監修を見ただけでわかる とっても丁寧に作られた昭和天皇物語。 こちらの作品が「このまんががすごい」に並んでいる時は何かの間違いかと思いました。更に言うと同僚の机に並んでるのをみて何かあったのかと思いました。
こちら、著者の 能條純一 さんは 月下の棋士 や 哭きの竜 でおなじみ男の美学を描かせたら右に出るものは 寺沢武一くらいと私の中では有名な方です。
「あンた 背中が煤けてるぜ 」で検索!(著作権に配慮w)
終戦のエンペラーから始まるストーリ
物語は戦後のマッカーサーと昭和天皇の対談から始まります。こちらの逸話は映画「終戦のエンペラー」でも詳しく描かれていますので合わせてご覧いただくとより楽しめます
ストーリーとしては明治天皇が学習院院長を乃木希典に任せる所から始まります。 迪宮裕仁親王 (昭和天皇)10歳。いきなりの 乃木大将 の登場ですよ。これはずるい。
数々の豪傑に囲まれ、元々持った英知と気高さが昭和天皇を作っていきます。
ご成婚への逸話や外遊でのエピソードや、描かれる事の少ない大正天皇の人間的な一面を丁寧に描かれています。
この先、大戦へと進むのか?
昭和天皇のストーリーを語るうえで大戦の物語を外す事はできません。神であり、大元帥でもあった時代。天皇陛下という存在は現人神であり国そのものだった。それが昭和という時代なのです。
色々な考え方や価値観、とらえ方の人がいる今、とてもデリケートな題材で扱いにくいタイトルですがこのまんががすごいにランキングするというのは、考え方の多様性が認められた良い時代なのかな。とも思います。
新年号の令和。和という文字を使って来るとは思いませんでした。
なかなか深い年号ですよね。万葉集の
「初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す」からだとか。
(昭)和を令(0)からやり直す強い国家を目指す。みたいな感じだったら・・・とか考えちゃったりもしましたけど。万葉集ね!
ちなみに、この後のコミックのストーリーに東条英機さんが出てくると思うんですが、 東条英機さんと言うのはとてもドラマチックな方なので、色々なドラマや映画で様々な方が演じられています。そんな中、私のおすすめは北野武さんが東条英機を演じた、 2008年12月24日にTBS系列で放送された「あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機」こちらがとても良かったです。観られる機会があれば是非!
え!2008年?そんな前の放送なの?